2008/03/31

構造論

さて、では前から書きたかったことの一つ
『ギャルゲのシナリオ構造論』について書きます。
あ、構造論、なんて豪そうなタイトルですが、
中身はぜんぜん簡単なことなんで身構えないでください。苦笑
簡単に言えば、
ギャルゲってのは複数のシナリオが集まって一つのゲームを作ってるけど、
複数あるからこそできる見方があるんですよ、って話です。


まず一般的なギャルゲは、複数のキャラクターがいて、
ある程度の長さの共通シナリオの中で選択肢を選び、
立てたフラグに応じて個別のキャラのシナリオへと分岐していく、
という構造を持っています。
プレイヤーは一人のキャラを
『攻略(シナリオを最後まで読む)』したらまた最初からやり直し、
また別のフラグを立てて他のキャラを攻略する、
という作業を繰り返すことになります。
そして全キャラ攻略した時点でゲームクリアとなるわけですが、
これが『複数のシナリオが集まって一つのゲームを作ってる』ってことです。

ところで、たいていのゲームはこの複数のシナリオの間に関連性がありません。
しかしそれを持たせることで、
あるキャラのシナリオを他のキャラの伏線として利用したり、
(演劇でいう群像劇的に)ゲーム全体として
何かテーマを表現したゲームもあります。
またそういうゲームにおいては
作者がプレイヤーにテーマをわかりやすく伝えるため、
キャラの攻略順に縛りをかけたり、
全キャラ攻略した後に最終シナリオが出てきたり……
といった工夫もされます。

そこで、そもそも作者が表現したかったテーマは何なのか、
作者はそのためにどんな工夫をしたのか、など……。
こんなマクロな、
『複数あるからこそできる見方』でギャルゲの個々のシナリオを見てみよう、
っていうのがシナリオ構造論なわけです。

縛りのあるゲームっていうのは、
『好きな順に攻略できない』ため非難されることもあるようです。
でも作者はちゃんとした理由があって縛っているはずです。
その理由を考えてみるのもいいんじゃないでしょうか。

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